2005年 08月 07日
チョムスキー氏のインタビューを読んで
|
久しぶりに新聞を読んだ。昨日の新聞も読んだら良い記事を見つけたのでアップします。
米国:「原爆の忌まわしい歴史、直視を」−−リベラル派の
チョムスキー教授に聞く
◇米リベラル派の代表的知識人、チョムスキー教授に聞く
「9・11」などの著作で知られ、米政府を鋭く批判してきた米マサチューセッツ工科大のノーム・チョムスキー教授が5日までに、毎日新聞のインタビューに応じた。教授は原爆が「おぞましい犯罪」であるにもかかわらず、その歴史を直視しないまま核と決別できない世界は危機的状況だと語った。【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)で國枝すみれ】
◆ショックだった米国内の原爆観
フィラデルフィアで林間学校に参加していた16歳の時だった。ラジオで原爆投下を知った。周囲の子どもたちは歓声を上げた。私は我慢できず、一人で森に入り数時間戻らなかった。もっと衝撃を受けたのは、50年代にボストンで上映された「ヒロシマ」という映画で、被爆者が沸騰した川に飛び込む映像を見ながら、観客が大笑いしていた光景だ。米国はアパッチ、ブラックホークなど、虐殺した先住民の名前を兵器につける国だ。もしドイツが戦闘機を「ユダヤ人」などと名付けたら、どう思うだろうか。
◆国家や権力の自己正当化は危険
原爆投下はおぞましい犯罪だ。個人的には東京大空襲はさらにひどい犯罪だと考えている。しかし、戦争犯罪を定義したのはニュルンベルク裁判だった。枢軸国の行為のみを戦争犯罪、平和に対する罪、人道に対する罪と定義し、大都市への空爆など連合国もした行為は定義から除かれた。
原爆投下を巡っては「ソ連に核の威力を見せるためだった」との意見もあるが、正しいとは限らない。米国も日本も消すことの出来ない忌まわしい歴史を直視しなければならない。
しかし、歴史証人となる目撃者が少なくなり、権力者が史実を気高く偉大なイメージに作り直す作業が始まる。日本も同じ道をたどっているようだ。こうしたプロパガンダと戦わなくてはいけない。人間は個人生活でも、自分の行為を正当化しようとする。だが、国家や権力機関がそれを始めたときは非常に危険である。
◇核戦争、着実に近づく
◆戦後60年の米国と世界
地域勢力に過ぎなかった米国は第二次大戦を機に大きく変わった。米政府は、自国の戦略的、経済的目的に合致する場合に限り、他国にできた民主政権を支持する。合致しなければ破壊する。正確に言えば、米国と強い関係を持つ伝統的なエリートが権力を維持できるトップダウン式の民主主義の導入に限って許す。
米国の民主主義もトップダウンだ。政府の政策と国民の意思はかい離している。大多数の国民は、他国への先制攻撃に反対し、差し迫った脅威にさらされない限り武力行使を禁止することに賛成している。過半数の国民は、米国は拒否権を行使せずに国連の決定に従うべきだと考えている。
5月、米国は核拡散防止条約(NPT)再検討会議の合意を阻んだ。政策決定者にとり人類生存の価値は非常に低い。取るべき手段を拒否することで人類は核戦争に着実に近づいている。
………………………………………………………………………………………………………
■人物略歴
◇ノーム・チョムスキー氏
マサチューセッツ工科大教授。1928年12月、米フィラデルフィア生まれ。言語学者だが、ベトナム反戦運動以降、米覇権主義への批判を続け、世界で最も影響力のある知識人の一人とされる。01年の同時多発テロ以降、「米国こそテロを主導してきた」と主張し、米国では「反米的」との批判を受けた。
毎日新聞 2005年8月6日 東京朝刊
米国内の原爆観にはあきれました。が、強い者が正義というお国柄なんだと納得できました。金曜日にTBSでやっていた戦後60年特別企画のなかで「原爆を落とした男が被爆者と初の対話」するところがありました。原爆を落とした男はただの憶病者でした。真珠湾を攻撃した日本が悪いと言っていました。
権力者が史実を気高く偉大なイメージに作り直す作業を日本もしているとチョムスキー氏は言っています。今まさに歴史教科書の採択の最中です。扶桑社の歴史教科書を推しているのはどんな人達でしょうか。日本でも権力者が自国の行為を正当化しへいきな顔をしているのでアジアが平和になりません。
5月、NPT会議は失敗に終わりました。これほど命や健康に関わる事が軽視されるのは、経済的な活動と最も遠いところにあると権力者は思うからなのでしょう。どこか麻痺していると思います。
「核戦争、着実に近づく」だなんて絶対にいやだ!
◆こちらもご覧ください◆
SENZA FINE
「断想」
quimitoのご本ご本
もーちゃんの部屋
★あしたは 晴れッ!【ラスカの蔵出し】
たるブログ
AURORA-TOUR
米国:「原爆の忌まわしい歴史、直視を」−−リベラル派の
チョムスキー教授に聞く
◇米リベラル派の代表的知識人、チョムスキー教授に聞く
「9・11」などの著作で知られ、米政府を鋭く批判してきた米マサチューセッツ工科大のノーム・チョムスキー教授が5日までに、毎日新聞のインタビューに応じた。教授は原爆が「おぞましい犯罪」であるにもかかわらず、その歴史を直視しないまま核と決別できない世界は危機的状況だと語った。【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)で國枝すみれ】
◆ショックだった米国内の原爆観
フィラデルフィアで林間学校に参加していた16歳の時だった。ラジオで原爆投下を知った。周囲の子どもたちは歓声を上げた。私は我慢できず、一人で森に入り数時間戻らなかった。もっと衝撃を受けたのは、50年代にボストンで上映された「ヒロシマ」という映画で、被爆者が沸騰した川に飛び込む映像を見ながら、観客が大笑いしていた光景だ。米国はアパッチ、ブラックホークなど、虐殺した先住民の名前を兵器につける国だ。もしドイツが戦闘機を「ユダヤ人」などと名付けたら、どう思うだろうか。
◆国家や権力の自己正当化は危険
原爆投下はおぞましい犯罪だ。個人的には東京大空襲はさらにひどい犯罪だと考えている。しかし、戦争犯罪を定義したのはニュルンベルク裁判だった。枢軸国の行為のみを戦争犯罪、平和に対する罪、人道に対する罪と定義し、大都市への空爆など連合国もした行為は定義から除かれた。
原爆投下を巡っては「ソ連に核の威力を見せるためだった」との意見もあるが、正しいとは限らない。米国も日本も消すことの出来ない忌まわしい歴史を直視しなければならない。
しかし、歴史証人となる目撃者が少なくなり、権力者が史実を気高く偉大なイメージに作り直す作業が始まる。日本も同じ道をたどっているようだ。こうしたプロパガンダと戦わなくてはいけない。人間は個人生活でも、自分の行為を正当化しようとする。だが、国家や権力機関がそれを始めたときは非常に危険である。
◇核戦争、着実に近づく
◆戦後60年の米国と世界
地域勢力に過ぎなかった米国は第二次大戦を機に大きく変わった。米政府は、自国の戦略的、経済的目的に合致する場合に限り、他国にできた民主政権を支持する。合致しなければ破壊する。正確に言えば、米国と強い関係を持つ伝統的なエリートが権力を維持できるトップダウン式の民主主義の導入に限って許す。
米国の民主主義もトップダウンだ。政府の政策と国民の意思はかい離している。大多数の国民は、他国への先制攻撃に反対し、差し迫った脅威にさらされない限り武力行使を禁止することに賛成している。過半数の国民は、米国は拒否権を行使せずに国連の決定に従うべきだと考えている。
5月、米国は核拡散防止条約(NPT)再検討会議の合意を阻んだ。政策決定者にとり人類生存の価値は非常に低い。取るべき手段を拒否することで人類は核戦争に着実に近づいている。
………………………………………………………………………………………………………
■人物略歴
◇ノーム・チョムスキー氏
マサチューセッツ工科大教授。1928年12月、米フィラデルフィア生まれ。言語学者だが、ベトナム反戦運動以降、米覇権主義への批判を続け、世界で最も影響力のある知識人の一人とされる。01年の同時多発テロ以降、「米国こそテロを主導してきた」と主張し、米国では「反米的」との批判を受けた。
毎日新聞 2005年8月6日 東京朝刊
米国内の原爆観にはあきれました。が、強い者が正義というお国柄なんだと納得できました。金曜日にTBSでやっていた戦後60年特別企画のなかで「原爆を落とした男が被爆者と初の対話」するところがありました。原爆を落とした男はただの憶病者でした。真珠湾を攻撃した日本が悪いと言っていました。
権力者が史実を気高く偉大なイメージに作り直す作業を日本もしているとチョムスキー氏は言っています。今まさに歴史教科書の採択の最中です。扶桑社の歴史教科書を推しているのはどんな人達でしょうか。日本でも権力者が自国の行為を正当化しへいきな顔をしているのでアジアが平和になりません。
5月、NPT会議は失敗に終わりました。これほど命や健康に関わる事が軽視されるのは、経済的な活動と最も遠いところにあると権力者は思うからなのでしょう。どこか麻痺していると思います。
「核戦争、着実に近づく」だなんて絶対にいやだ!
◆こちらもご覧ください◆
SENZA FINE
「断想」
quimitoのご本ご本
もーちゃんの部屋
★あしたは 晴れッ!【ラスカの蔵出し】
たるブログ
AURORA-TOUR
by keep5ing
| 2005-08-07 09:42
| 核・原子力