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- 国は患者が死ぬまで待とうとしている[ 2006-05-03 01:38 ]
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2006年 05月 03日
水俣病患者と寄り添ってきた作家、石牟礼道子さん(79)に、水俣の半世紀とこれからを語ってもらった。 −−公式確認から50年を迎えました。 ◆うちには年寄りたちが集まり、焼酎を飲みながら物語性に富んだ話をしていました。「昨晩は、わらすぐりというキツネやたぜという妖怪がススキ野で相撲を取ったり、踊ったりして、たいがいにぎおうたばい」っていうてねえ。連綿と受け継がれた神話の世界がありました。庶民は大変楽しんで生きてきた。今は風土ぐるみ、水銀の底になってしまいました。 −−95年、未認定患者問題は政治決着したと言われました。 ◆裁判を一切しないことを条件に260万円、という解決内容はひどかった。患者さんは「自分たちは長生きしない。三途(さんず)の川の渡し賃にもらう」と泣く泣く妥結させられました。何が決着ですか。あれで救われたと思う人は誰もいません。 −−最高裁判決後、3800人が認定申請したが、国は基準を変えず解決の道筋は見えません。 ◆国は死ぬまで待とうと決心してるんじゃないですか。潜在患者がいるのが分かっていたのに、チッソの加勢をして、故意に患者さんを見捨ててきた。犯罪ですよ。犯罪に手を貸している。世界に知られた水俣です。当時20万人と言われた不知火海沿岸住民の健康調査など全世界が驚くような根源的な対応を打ち出すべきです。 −−行政は水俣病の教訓を世界にと連呼しています。 ◆何を発信するのかなと思います。実効の伴ったことを前提にしてほしい。被害者の方は「自分たちが体験してきたことはあまりにもむごかった。(チッソを)親、子供、一族のかたきと思っていたが、今になれば人間をそういう目に遭わせたくない。我々は一人も殺さなかった」と話してました。身内を殺され、自分たちも殺されつつある患者さんの「一人も殺さない」という高度なモラル。これこそが、水俣の発信だと思うんですよ。【聞き手・加藤学】 毎日新聞 2006年5月1日 東京朝刊 水俣の教訓を生かして、国は、六ヶ所再処理工場の放射性廃液を海に流している。 長い時間をかけて、少しずつ人々を蝕んでいくが、因果関係がはっきりしないので 被害者救済も必要ない。 「庶民は大変楽しんで生きてきた。自分たちが体験してきたことはあまりにも むごかったが、今になれば人間をそういう目に遭わせたくない。我々は一人も 殺さなかった」という水俣の発信は、再処理工場のアクティブ試験、操業を 止めようとしている私の心にとても響く。この言葉を心に、もう少しできることを していこうと思う。 < 前のページ次のページ >
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